肩・肘が痛くならない投げ方を習得する3つのステップ

野球選手で最も多い痛みは肩・肘の痛みだと思いますが、ボールが思ったように投げられないのは辛いですし、ライバルに差をつけられると焦りますよね。

肩・肘が痛む原因は主に投げ方ですが、肩周辺の柔軟性を改善して、投げ方そのものを改善すれば痛みを改善することができます。

この記事では、

  • 肩・肘を痛める投げ方の特徴や原因
  • 肩周辺の柔軟性を改善する5つのストレッチ方法
  • 肩・肘が痛くならない投げ方を習得する3ステップ

などを解説します。

※今回の肩・肘の痛みは、「靭帯や骨などに異常はないけど投げると痛みが出る」、そんな方を対象に解説します。もし病院で医師の診断を受けていない方は、必ず骨などに異常がないかどうかをご確認ください。

 

肩・肘を痛める投げ方の特徴や原因

僕はパーソナルトレーナーとして、野球選手にも動作のアドバイスなどをしていますが、肩・肘を痛める選手は大きく分けて2つの原因があります。

それは、

  • 投げ方そのものに問題がある
  • 体力的な問題

などです。

投げ方に問題が出るケースは、指導者からのアドバイスに問題があったり、柔軟性が関係している可能性があります。

具体的にどのような投げ方になっているのかを理解してもらうと、肩・肘を痛めない投げ方も理解しやすくなるので、まずは投げ方の問題点を詳しく解説していきます。

肩・肘を痛める投げ方の特徴

投げ方が問題になっている方の特徴して、以下の3つが現場でよく見られます。

  • ボールを前で離そうとする
  • 捕手方向を見続けている
  • 膝を曲げすぎ

これらの動作によって、肩の後方が強く伸ばされたり、肘が過伸展(伸ばしすぎ)することによって痛みにつながっている可能性があります。

ボールを前で離そうとする

よくあるのが、

  • ボールを前で離そうと意識する
  • ボールを切るような動作を意識している

ということですが、こういうことを意識して投げていませんか?このような動作をすることで、ボールを速く投げられそうですが、パフォーマンスにはほぼ影響しません。

ボールを前で離そうという意識で投げると、肩甲骨の後方にある「棘下筋」や「肩甲下筋」などの筋肉が投球と同時に前方へ強く引っ張られます。

ボールを前で離す

肩の後方が伸ばされる

筋肉は伸ばされながら刺激を受け、それが繰り返されると炎症が起こり、痛みが発生してしまいます。

また、肘を前に出して投げようとしたり、ボールを切るようなイメージで投球してしまうと、肘が過伸展してしまいます。

肘が完全に伸び切ってしまう

そうすると、肘の関節で骨同士がぶつかり合う刺激が繰り返され、その結果肘に痛みが発生します。

これは、その場で肘の曲げ伸ばしを繰り返し強く行ってもらうと、痛む理由がよくわかると思います。

肘を曲げる

肘を伸ばし切る

かなり肘に負担がかかってきますよね。ですので、こういう動作を投げるたびに行っていると当然肘を痛めてしまう。

こういう動作をしてしまう要因に、「ボールを前で離す」などの意識があるということです。

捕手方向を見続けている

別のケースで言えば、投球するときに捕手方向をずっと見続けていることも問題です。

人間の身体は、見ている方向に腕を伸ばしやすくなり、捕手を見続けて投球した場合、これも肩の後方などが前方へ強く引っ張れてしまいます。

肩の後方が伸ばされる

イメージとしては、ボールを投げるときは軽く顎を引いた状態で、上目遣いで捕手方向を見ます。

投球後のフォーム

そうすると、腕は前方ではなくスムーズに身体の巻き込めるようになり、適切にフォロースルーを迎えられます。

腕が身体に巻き付くようにフォロースルーをとれると、肩肘が強く伸ばされず痛めることはありません。

こういう投球時に捕手方向を見続けていることも、肩・肘を痛める原因の1つですね。

膝を曲げすぎ

あともう1つ考えられるのが、膝を曲げすぎということです。

膝を深く曲げる

膝を曲げすぎると、平行運動となってボールを押し出すようになりますし、うまく身体を縦に折れなくなってしまいます。

そうすると、前方へ腕を放り出すような形となってしまいます。後は、ボールを前で投げようとすることと同じで、肩の後方や肘が強く伸ばされてしまう。

このように、

肩・肘が強く伸ばされる、引っ張られる動作の癖があることで痛めてしまう

ということが投げ方で発生する痛みの主な原因です。

逆の言い方をすれば、肩肘が関節の構造上スムーズに動けば痛めることはないということですね。この投げ方は後程詳しく解説します。

肩甲骨周りの柔軟性が低下

先ほどは“投げ方そのものに問題”があって痛む原因を解説しましたが、次は柔軟性が低下した結果投げ方に問題が出て痛むケースを解説します。

ボールを投げるとき、

  • 腕が上方へ上がる
  • 肩甲骨が軽く内側へ寄る
  • 腕が内側・外側へ捻られる

というさまざまな動作が起こります。

このときに関係している筋肉は、

  • 僧帽筋
  • 菱形筋
  • ローテーター・カフ(肩周辺のインナーマッスル)

などです。

僧帽筋

菱形筋

もちろんこの他の筋肉も関与していますが、例えば「僧帽筋」「菱形筋」などは肩甲骨の動きに関与しています。

これらの筋肉が硬くなってしまうと、肩甲骨がスムーズに動かず、腕を上方へあげづらくなってしまいます。

そうすると肘の位置が下がり、そこから投球に入っていけば押し投げのような形となってしまう。まさにこういう投げ方ですよね。

押し投げ

ボールを押し出すように投げる

そうすると、肩の後方は伸ばされてしまいますし、肘が伸び切る可能性も出てきます。結果、肩・肘を痛めてしまうかもしれません。

このように、柔軟性の低下によって投げ方のまずさにつながった結果肩肘を痛めることも考えられます。

これは、肩・肘周辺の筋肉に限ったことではありません。

  • 背中
  • 股関節
  • お尻

など、投球動作に関与する筋肉が硬くなれば、必ず投げ方にも影響が出ます。こういう柔軟性の問題も、肩・肘を痛める原因に関係しています。

肩周辺の関節の動きが悪い

また、筋肉の硬さの問題だけではなく、関節の噛み合わせのまずさも大きく影響してきます。

腕を上方に上げるとき、イメージ的には肩や肩甲骨が関係しているように感じますが、鎖骨や胸骨で作られる胸鎖関節の動きも関与しているんですね。

胸鎖関節

この部分にある関節が捻られるように動くことで、腕も上方へ上がってきます。

ですので、こういった関節の動きが悪くなっても腕は上がりづらくなり、投球動作に影響が出てしまう可能性もあります。

このように、肩・肘を痛める大まかな原因は、

投げ方そのものか、投げ方に影響を与える柔軟性や関節の動きの問題が考えられる

ということです。そして、もう1つおさえておきたい原因は、特に小・中学生で起こりがちな肩肘が痛む原因です。

体力の問題

ここでいう体力というのは、スタミナ(持久力)のことではなく、筋力的な問題です。

例えば、軟式野球から硬式野球に変わったとき、ボールやバットが重くなり、その重さに身体がついていかないことで肩・肘が痛むこともあります。

こういう場合は、投げることよりも先に筋力を向上させたり、体力的なトレーニングを行うことが痛みを改善する上では必要になってきます。

このように大きく分類すれば、

  • 投げ方、動作の問題
  • 体力的な問題

の2つに区分できると思います。

まず原因を理解していきましたが、ここからは投げ方を改善して肩・肘が痛くないような投げ方に改善していきます。

この投げ方をスムーズにするために、まずはストレッチを行って肩周辺の筋肉を柔らかくしておきます。

 

肩周辺の柔軟性を改善する5つの動的ストレッチ方法

ここからお伝えする5つの方法を実践すれば、今よりも肩周りが柔らかくなり、投球動作がしやすくなるのでまずはその変化を実感してみてくださいね。

①腕を前後に動かす

手順

  1. 立った状態で、両腕をみぞおちの高さに上げる
  2. 手のひらを天井に向け、腕を落とすイメージで肘を曲げて後方に引く
  3. この反動でスタートポジションに戻り、振り子のように腕を前後に動かす
  4. これを30回行う

②肩甲骨を内・外に動かす

手順

  1. 身体の前側で手の甲と甲を合わせる
  2. このとき、胸元にしわを寄せるように少し丸くなる
  3. ここから腕を外側に捻りながら胸を軽く突き出す
  4. このときは肩甲骨を軽く寄せるイメージ
  5. 肩甲骨を外側に離したり、内側に寄せたりを繰り返す
  6. これを30回行う

③腕を上下に動かす

手順

  1. 耳の高さで棒を持つようなイメージで腕を少し上げる
  2. その棒を肩よりも少し下げるようなイメージで腕を上下に動かす
  3. リラックスしたこの上下運動を50回行う

④腕回し

手順

  1. 脚を肩幅に開き、肩から腕をぶらんと垂らしてリラックスさせる
  2. 身体の前側で円を描くように、腕を回す
  3. このとき、膝の屈伸で勢いをつけるように腕を回す
  4. 同じ方向へ20回、逆回し20回行う

⑤腕を内外旋させる

手順

  1. 仰向けの状態で、腕を45度ぐらい開く
  2. 肘を90度ぐらい曲げる
  3. この状態で、肘を支点に前腕を内・外側に倒す
  4. これを1分間リラックスして行う

この5つすべてに共通することは、できるだけリラックスした状態で気持ち良く数をこなすということです。

そうすると、肩や肩甲骨周辺の筋肉が柔らかくほぐれ、次の投球動作がしやすくなります。ここまでできると、次は投球動を改善していきますね。

 

肩・肘が痛くならない投げ方を習得する3ステップ

本来であれば個人によって動作改善の内容は変わります。ただ、以下の3つのステップで動作を改善すれば肩・肘の痛みを改善できる方もいると思うので、参考に実践してみてください。

①身体の前で腕回し

まず最初に、先ほど行った腕回しを身体の前側で行います。

ここで気をつけておきたいことは、肩で引っ掛かりを感じないことが重要で、スムーズに腕が回転していることを確認します。

②手を頭の後ろに落とす

そして、腕回しがスムーズにできると、次は腕回しから頭の後ろで投げる側の手を落とすようなイメージを持ちます。

このとき、グッと腕を固めるイメージではなく、腕がスッと上がってきてポトンと手が落ちるイメージでリラックスしておきます。

③一本背負いをする

そこから、一本背負いをするイメージで投球動作をとっていきます。

この一連の動きがスムーズにできると、フォロースルーのときに腕は身体に巻き付くような動きになるはずです。

一本背負いをするように投げる

このように、フォロースルーで腕が身体に巻き付くように動けば、

  • 肩の後方が引っ張られる
  • 肘が過伸展する

などの動作を改善でき、結果肩・肘を痛めない投げ方になります。

この一連の動きは、動画で見てもらった方が動きのイメージをつけやすいと思うので、こちらも参考にしてみてください。

ここでお伝えしたような腕のスムーズな動きをインプットすれば、肩・肘を痛めない投げ方になるので、ぜひこの投げ方をこれからも続けてほしいなと思います。

もし投手の場合は、別の記事で投げ方について詳しく解説しているので、こちらも参考にしてみてください。

 

まとめ

今回は、肩・肘が痛くならない投げ方を習得する3つのステップなどを解説しました。

今回の記事の内容

  • 肩・肘を痛める原因は、主に投げ方と体力的な問題
  • ボールを前で離すなどの意識を持てば、肩や肘を痛める可能性
  • 肩・肘を痛めない投げ方のポイントは、腕がスムーズに動くこと
  • そのためには、3ステップをリラックスしてこなすこと
  • 身体に腕が巻き付くようなフォロースルーができると、肩や肘への負担は軽減する

こういった内容をお伝えしました。

肩・肘を痛めてしまうともどかしい気持ちもあると思いますが、今回の内容が少しでも野球選手のお役に立てると嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

ぜひ、大好きな野球を楽しんでくださいね。

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